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2016年09月04日

夏山へ!2016 その1。

大人の夏休み最後の土日を控えた木曜日。

 「今年はどーするかねぇ~?」

嫁さんと協議します。

嫁さんとお姉ちゃんお兄ちゃんが出かけたのとか、その他夏休みのイベントで諭吉さんたちがお出かけしてしまい、さしあたって家計にはお金がないらしい。


子供たちは、行きたいと言う。

嫁さんは、お金ないと言う。

悩んだ末に結論を出す。

嫁さんに存在だけは知られている、父の乏しいへそくりからおろして来るしかありません。

子供たちが遊んでくれるうちに遊んどかないと。

下世話な話ですが、先立つものが無いと出かけられないのであります。



 「いくら掛かりそう?」

嫁様
 「一人¥9800。 個室ならプラス¥8000。 次の日の弁当代と、タクシー代と、ゴンドラが・・・」

テント泊も考えないでは無かったのですが、我が家のテントは昨夏だかその前の夏だかに庭でキャンプしてた悪ガキたちがポールを折ってくれたのでひと張りが使えない。

そして3人用テントなので家族5人で寝るには手狭で、ふた張り担ぐ必要がある。

シュラフと食料と燃料と・・・と考えると、小屋泊しか選択肢がないなぁ。。。


・・・と、パソコンをパチパチといじってた嫁さんが

 「予約とれたよ~」

だとさ。

山小屋なんで基本は予約要らないんだけど、

 「混むと寝るの苦労するしねぇ」

などと電話掛けて

 「個室とれた!」

あぁ、そうですか。


どのくらい混むかは判らないけど、確かに1枚の布団を3人ぐらいでシェアするのは辛いなぁ。

他人のいびきが耳元で炸裂すると頭にくるし。


銀行のCD機で乏しいへそくりをドカンと減らし、お財布に入ってたわずかなお小遣いの残りも全部差し出して嫁さんに預けます。

父のお財布残金、¥40。

久しぶりに小学生以下の持ち金になるとともに、これだと父はお財布、持って行かなくてもいいんとちゃうん。
(オートバイも欲しいしカヤックも欲しいし、世のお父さんたちはどうやって小遣いを貯めているのでしょう???)



さて。

金曜の夜中に車を飛ばし(もちろん車の中は父以外は全員熟睡モードなんだけど)、日付が変わった土曜日の2時過ぎに駐車場に到着します。

寝てる奴らが居る中で寝床を整えるのは大変ですが(動かないヤツが邪魔!)、とにかく足を伸ばして休みたい。

でも、フルフラットにすれば家族5人が楽に寝られるのもハイエース(スーパーロング)の特権ですな。

急いで、且つ、静かに寝る準備を終えると意識が遠のきます...。



朝5時。

携帯の目覚ましがけたたましく鳴り響き、容赦なく目覚めさせられますが。


夏山へ!2016 その1。

お姉ちゃん、起きてるけど爆睡。

我が家で一番の寝坊助なのです。

きっと、父の方が眠いと思うんだけど。

 「起きろー! 朝だ、登るぞぉー!」


夏山へ!2016 その1。

ハイ、盛り過ぎ!!!

携帯のアプリって簡単に加工できるから怖いね。

写真だけ見て、実物と会うと 「あれれ???」 となっちゃいます。


さぁ、準備。

朝飯食って昼飯詰めて着替えて靴履いて日焼け止め塗りたくって。

なんだかんだと時間が掛かりますが、そばに留まってたタクシーに飛び乗ります。


夏山へ!2016 その1。

車窓からは素晴らしく晴れてる綺麗な山並が見えてきます。

このまま、天気が持つといいなぁ。

夏山へ!2016 その1。

登山口で荷物を降ろし、


夏山へ!2016 その1。

登山届を出します。


夏山へ!2016 その1。

猿倉荘。


そう、今年の夏は白馬岳にチャレンジなのです!

夏山へ!2016 その1。

コースタイム6時間30分(昼飯抜き)。

さぁ、出発!



って、子供っち速すぎ。

夏山へ!2016 その1。

山道に入る前の林道なこともありますが、日に日に衰えていく父母よりもどんどんたくましくなりますね。

去年の北岳でも思い知らされたので、上の2人にはそれぞれ3リットル以上のお茶やお水をこっそりザックに詰め込んであるのに。

父や母がその分、楽してるにもかかわらずヤツらのスピードは侮れない。


夏山へ!2016 その1。

沢、飛び石で渡れるんだけど、何とかと煙はどうしても高いところを歩きたい。

渡り終わったところで子供たちに言う。

 「せーので手を突っ込んで誰が最後まで浸けてられるかいな。」

もちろん、真夏で、歩いてクソ暑いから、雪解け水の冷たさなんて想像できてない。

夏山へ!2016 その1。

やってみますが!

30秒も浸けてられません。


夏山へ!2016 その1。

本格的に山道に入っても。

やっぱり、子供っち速いな。。。

父も母もゆっくりとついていきます。


夏山へ!2016 その1。
(ホタルブクロ・・・にしてはやたらデカいしツル草だし??)

途中、名前の知らない花や、


夏山へ!2016 その1。

どこの山行っても見かける、TVのなんちゃら殺人事件でお馴染みの花が咲いてるのを眺め、


夏山へ!2016 その1。

とにかく、自分の背負ってる水分を減らして荷物を軽くしたい。


夏山へ!2016 その1。

猿倉~白馬尻小屋までコースタイム1時間30分のところを1時間15分程で到着です!

まぁ、急登はなかったからね、ここまでは。


さっそく休憩。

夏山へ!2016 その1。

アミノバイタルでミネラルも補給。

4年生はただただ、ゼリーが飲みたいだけですけどね。


夏山へ!2016 その1。

全然、大雪渓見えんけど。。。

今年は、雪が少なかったらしい。


さぁ、再出発!

と思ったら、登山道の入り口でレンジャーの方に呼び止められます。

 「今年は、本当に雪が少ないです。クレバスがいっぱいでかなり危険です。ですから、大雪渓も雪の上を歩く距離は少ないです。だけど絶対にコース外は歩かないでください。クレバスに落ちる事故が起きてますので。そして雪が少ないので山肌のガレ場がむき出しです。ガレ場では立ち止まらずに休憩もしないでください。落石が非常に多いです。では気を付けて!」

嫁さんは2回目ですが父と子供たちは初めて。

雪渓歩きを楽しみにしてたんだけど。

まぁ、行ってみましょう!







白馬尻小屋を出てから30分歩いても

夏山へ!2016 その1。


40分歩いても

夏山へ!2016 その1。


1時間近く歩いても

夏山へ!2016 その1。


雪渓にはたどり着きません。

でもずいぶん、近づきました。

確かに、雪が少ないんでしょうね。

ゴウゴウと音を立てて雪解け水が流れる上の雪渓部分は

夏山へ!2016 その1。

底が削れて雪庇のようになっています。

雪渓を右に見ながら雪庇を通り過ぎ、ガレ場をトラバースしていると突然、


ドカーンっ!!!


すごい音とともに、写真中央に見えていた雪庇が崩れ落ちて沢になだれ込んでいきました。

ちょっとびっくり!

クレバスも目に入るし、

夏山へ!2016 その1。

ガレ場でも上からカラカラと音を立てながら小さな石ころが落ちてきます。

確かに、休憩せずに通り過ぎたいなぁ。


そしてようやく。

大雪渓のお尻にたどり着きました。

1時間30分近く掛かっています。

レンジャーの方が、

「ガレ場歩きは、通常の雪渓歩きよりも1.5倍から2倍はキツイと思ってください!」

と言ってたのがよくわかります。


早速、簡易アイゼンを装着しましょう。

 「おーい、お前のザック、開けてアイゼン出して!」

中2の小僧に指示します。

 「ん?」

不思議な顔をしてザックを開けると、4人分のアイゼンが出てくるのでした!

 「おいっ~! なんで俺の重いのかって思ってたよ!」

ありがとねーみんなの荷物持ってくれて!


夏山へ!2016 その1。

夏山へ!2016 その1。

しっかり縛って。


さぁ、雪渓!

夏山へ!2016 その1。

雪渓に入ると同時にずいぶん暑さが和らぎます。

涼しくていい気持!

でも。

夏山へ!2016 その1。

進むにつれ、どんどん天候が悪化してくるのです。


足元には、

夏山へ!2016 その1。

でっかい石や岩がゴロゴロ。

雪の上なので落石以外にありません。

こんなのが落ちて来たら怖いね。


だけど、あっという間に

夏山へ!2016 その1。

雪渓終了。

ほんの10分だけでした。。。

大雪渓ぢゃなくて小雪渓ですかな。

ま、アイゼン有って歩きやすかったから担いできた意味はありますね(父は自分の分しか担いでないけど)。


そしてここから。

地獄のような急登が待ち構えていました。

暑いし、天気悪いし、急だし。

夏山へ!2016 その1。

登山道から横にある雪渓見るとどのくらい急かがわかるでしょ?

夏山へ!2016 その1。


しかしまぁガレ場は過ぎたし、少しひらけたんで。

夏山へ!2016 その1。

飯!

12時30分。

歩き始めて4時間30ほど経っています。

飯食うと、いくばくかザックが軽くなって嬉しいねぇ。


30分ほど休憩して再出発!

ですが。

雨降って来ました。。。

夏山へ!2016 その1。

霧の中で雨粒のようなのがポツポツ落ちてくる感じ。

ザックカバー掛けて、合羽を着たり、脱いだり、また着たり。

時間ばかり掛かって進みません。

1時間くらい格闘したら、

夏山へ!2016 その1。

突然晴れた!

霧帯を抜けたのかもしれません。

濡れた山肌がキラキラとめちゃめちゃ綺麗です。


夏山へ!2016 その1。

14時30分。

時々休憩しながら高度を稼いでいきます。


急登が終わると一面、お花畑です。

夏山へ!2016 その1。

夏山へ!2016 その1。
(ワレモコウにしちゃ、猫じゃらしっぽいなぁ。)

夏山へ!2016 その1。
(イワカガミっぽいけど葉っぱが違うなぁ。)

夏山へ!2016 その1。
(これはハクサンフウロでしょ。)

夏山へ!2016 その1。
夏山へ!2016 その1。
(豆科2種。可愛い。)

夏山へ!2016 その1。
(ナデシコ。タカネナデシコかな?)

夏山へ!2016 その1。
(キキョウ。イワギキョウかな??)


なんてのを眺めながらフラフラ歩いてると、

夏山へ!2016 その1。

 「やたーっ!小屋見えたぁ~」


夏山へ!2016 その1。

15時50分。

ほぼほぼ8時間掛かりました!(お昼30分休憩込み)

なかなか、疲れた。


夏山へ!2016 その1。

先ずは、チェックインして荷物を降ろします。

夏山へ!2016 その1。


さてさて。

 「山頂まで40分。帰りも入れると1時間ちょいかな? 今日登る??」

 「えー、明日にしようよ」

 「えー、お腹すいた」

 「えー、もうしんどいし」

 「・・・。」

出かけても晩御飯には間に合うタイミングでしたが。

そう言いながら部屋でうだうだしていると。


夏山へ!2016 その1。

すげー雨が降って来ました!

行かなくて良かったねぇ。

今日は、歩くの終~了~!

 「わーい!」

夏山へ!2016 その1。


 『晩御飯の準備ができました』

館内放送とともに食堂にダッシュ ・ ・ ・ したいけど足がだるくて痛くてノロノロです。

飯めしっ!

夏山へ!2016 その1。

夏山へ!2016 その1。

白馬頂上宿舎、ビュッフェ形式で好きなモノ食べ放題!

こんな山小屋は初めてです。

しかも、結構うまい。

幸せです。


食ったら。

もう、やることは一つだけ。

まだ19時30分ですが。

おやすみなさい。。。

夏山へ!2016 その1。


2日目につづく。



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